シャトルワース氏のインタビュー:Ubuntu Debian Gnome3

先月の中旬のシャトルワース氏インタビューを訳してみました。

以下のニュースが先月の終わりにありましたが、この件についても言及してます。

Debianが固定リリースサイクルを採用、1年おきの12月にフリーズ

で、これについて Debian 内でも一悶着あったみたいですが、シャトルワース氏も Debian のメーリングリストにビシバシ投稿しまくって現在 Debian 陣と熱く議論してる様子。

どうなるんでしょ・・・。

追記:リーナス氏が10月に開催されるLinuxカーネル開発者会議のために来日されるようですが、それに先立つ9月に米国のポートランドで開催される LinuxCon という新しい会議でリーナス氏とともに、シャトルワース氏も講演するらしい。

http://events.linuxfoundation.org/events/linuxcon

主要なアップストリームのリリース周期について、こちらでも熱く語ると予想。😀


原文:http://derstandard.at/1246541995003/Interview-Shuttleworth-about-GNOME-30—Whats-good-whats-missing-what-needs-work

Q1. Linux デスクトップのユーザー体験の向上について Canonical はもっと関与していくと昨年のインタビューで話していたが、成果はどの程度?

A. 初年度としては成功だと思う。

8人で構成されたデザインチームと、5~6人で構成されたアップストリーム(プログラム開発元、開発上流側)に対する専任のデスクトップ技術グループが社内に設けられ、両者とも規模拡大中。

GTK+ と Qt の両方の開発者を雇っているので、Kubuntu 9.10 でも Ubuntu と同じ通知システムやメッセージメニューを提供する。今後は両プラットフォームであらゆるものを同時に提供するように努める。

Gnome-Shell に関してはある程度距離は置くものの参加、しかし今のところ専任の者はいない。

ここ 2 週間はPC産業の代表者たちに我々が行っているデザインワークのたぐいを見せてまわったが、今後 2 年に渡り Linux デスクトップが提供し得るものの明確な将来像を見て彼らは興奮していた。

Q2. Gnome-Shell または現在の他の開発物を見せた?

A. そうしたものではない。

「100 Papercuts」および F-Spot や Empathy といったようなアプリにおけるデザイン面での作業など、デスクトップやネットブック、Moblin に渡るデザインチームによる成果物であって、その多くは広く公けになっている。

ただし、パートナー企業との仕事など、その内のいくつかは秘密。だが、リリースした時点でオープンソース化する。

Q3. 適切なリリース管理が欠如している X.org の最近の問題を考えると、そちらが投資の有力候補になり得ないか?

A. お金を得た人はそのお金を問題に対して投じるべきだという一般認識があるけれど、それについてある程度経験を持つ立場から言えば、それは問題解決の試みとしての良い方法ではない。

リリース管理の場合、実際に最も影響力を持つのは開発陣。

Linux カーネルはそうした問題に立ち回った結果、現在のリリース管理は良い状態に至っているが、これは強いリーダーシップの賜物。

X についてコミュニティが問題を抱えているなら、開発陣にそうしたメッセージを送るべき。

ただ、開発者というのは自分の行った変更に興奮して、自分のコードがディストリビューションや人々のデスクトップにどう辿り着くかということについては少しばかり無頓着であることに恐らく気づくだろう。

開発者はバージョン管理システムから最新のものを取り出して実行しているので、Ubuntu や Fedora 等で彼らのコードが実際にどのような感じになるのかを知らないことが多い。

Q4. 今振り返ると、Jaunty における X に対して人々が体験した問題を緩和するために何か別の方法を取ることができたと思うか?

A. 説明すると、X について重大な問題が1つだけ、特定のベンダーのハードウェアに関して存在した。

ベンダーが取り組むべき問題の存在が明らかになると、彼らは早急に内部技術情報にアクセスできるようにしてくれて、問題解決に取り組む意欲を共にした。

件のベンダーというのはつまり Intel なのだが、X には多大な貢献しているので、Intel がすべての問題を引き起こしているというのは間違い。

彼らが行っていることは実際にはすべて X をより良くするための素晴らしい仕事なのだから。

Q5. 2010年4月には長期サポート版(LTS)、同じ頃に GNOME 3.0 も出る予定。 今度の春は LTS リリースとして本当に良い時期?

A. それは本当に興味深い質問。

質問の核心は、ディストリの長期版リリースとアップストリームとが各々異なるスケジュールで動いている状況についてどう取り組むかということ。

これは「アップストリームにとって長期版がリリースされることは有益か?」と問うのに相当するのだと思う。

その有益性に異を唱える者は誰もいないだろうが、ではいつリリースするのか?

いついつにやりなさいと指定する包括的な力が今までは存在しなかった。

我々が目にしつつあるのは、オープンソースのエコシステムにおける周期リリースに関するさらに大きい構造的なものの登場だと思う。

Q6. それがつまり「メタ・リリース・サイクル」のアイデア?

A. そうだ。

短期リリースのサイクルと長期リリースのサイクルが互いに重なっているような。

ここで本当にビッグニュースなのは、我々と Debian リリースチームが非常に良い議論をしてきているということ。

だから、リリース日ではなくフリーズ日だけれども、それについて広く受け入れることを Debian リリースチームは表明した。

フリーズ日というのは、我々がじっくりとメジャーなコンポーネントの全部を見渡して協調するメジャーバージョンの決定をする時になる。

我々が全部について合意しなければならないプレッシャーというのはどこにもないが、実際に話し合いを持つだけでも、そうした情報をケアするアップストリームにとっては有益。

Debian と Ubuntu の間で現在行っている話し合いにもとづくと、LTS は 10.04 か 10.10 のどちらかになるだろう。

LTS の時期のコントロールについて我々はある程度の譲歩をするし、Debian の方でもそうなるだろうが、その共有する結果は非常に強力なものになり、アップストリーム側が「Debian と Ubuntu のメジャーリリースを自分たちがうまくいかせたいと思うなら、今こういうクレージーな変更を全部行うのは止めとこう。」と言うための理由を与える。

どうしてアップストリームが Debian と Ubuntu のことをそこまでケアするのかと問われるかもしれないが、我々にとって最も重要なのはより多くのディストリビューションをメタ・サイクルに巻き込むのに努めること。

プロジェクトがアジャイル開発工程管理の反復サイクルのような、3カ月、4ヶ月あるいは6ヶ月の短期リリースサイクルを持ち、そして2年のより長いサイクルを持つ。

オープンソースにおけるそうした「最善例」的なものが現れることを自分は信じている。

それが解決できれば、我々は先ほどの問いの基本的な部分を解決することになる。

Q7. しかし、その具体的ケースに話を戻すと・・・。

A. アップストリームとは良い話し合いを持っている。

Debian との歩調の合わせ場所がはっきりしたらすぐにそうしたアップストリームと話し合って、「我々はこのリリース日でいく予定で、この共有したフリーズ日も設定しているけど、そちらのアドバイスは?古いバージョンを出荷しなさいというのがアドバイス?それともより新しいバージョンを出荷するためにそちらが追加の作業をするというのがアドバイス?」と言う。

これは我々だけのための決断ではなくて、アップストリームのための決断でもあると思う。

「あなたたちは5年サポートのリリースをしようとしてるけど、なら GNOME 3.0 の追加を頼むよ。すごくクールで最新で最も輝いてる。」と言う人はいつでも存在する。だが、同じ人々が「GNOME Shell はオプションにしてくれ。デフォルトにはしてくれるな。」と恐らく言うだろう。

Q8. GNOME 3.0 の発表は遅れてもらった方がよい?

A. 全くそんなことはない。GNOME 3.0 の開発はスケジュール通りであるべきだ。それに影響を与えたいとは思わない。

自分にとって重要なのは、良い話し合いを持つことができること、LTS で我々が出荷するものについて賢い決定ができること。

まだ準備ができていないものを我々が1千万人に提供してしまうと、開発者のためにならない。

我々がそうすれば、彼らの評判やブランドが影響を受けてしまう。

Q9. GNOME 3.0 に向けて提案された変更、特に GNOME Shell についてどう思う?

A., まず、過去と決別しようとする意欲が見られることは非常にエキサイティング。

本当に革新を行うには新しいものにオープンである必要がある。

GNOME が証明したのは、オープンソースのエコシステム内で、短い期間単位の反復的開発を行い、非常に管理可能な安定的な方法で少しずつ革新を届けることができること。

KDE4 が証明したのは、じっくり腰を据えて、大きな移行として導入される本当に興味深い概念的な変更を行うことも可能だということ。

GNOME3 にはそうした2つのレッスンを一緒に持ち込むことを願いたい。

そうすれば、ビッグリリースとしての洗練された仕事とともに、洗練された改善と漸進も目にすることになる。

今のところ、GNOME Shell について判断を下すのは時期尚早。

ボストンで開催されたハックフェストで GNOME Shell がデザインされていた時に自分もそこに居合わせた。

その考えや精神は良いものだったと思う。その時は製作者のホワイトボード上のものにすぎなかったので、人々が実際に使用し始めれば多くの事柄がもっと明確になっていくだろう。

だから自分の印象としては、これは重要な仕事だし最終的に GNOME にとって本当にスーパーなものになると思う。

しかし、最終的に人々が「こいつは凄い」と言う段階になったものは、現段階のものから相当に変更されていることだろう。

Q10. Gnome 3 に欠けていると思うものはある?

A. 当初、ファイルの管理の仕方といったようなビジュアルとはあまり関係ないことについて多くの議論がされたし、自分はブログにそれについて書いたりもした。

そちらの方が Gnome デスクトップの日常のユーザー体験に関する大きな改善になり得ると思う。

Canonical では増大するユーザビリティ関連の仕事に参加してきたが、基本的に人々がファイルやフォルダを得られないのを目の当たりして驚いた。

とにかく見つけられない。これについてはどんな人にも破綻しているような感じで、特に Linux デスクトップで顕著。なぜなら、どのアプリケーションもファイルの置き場所に関して各々の考えを持っているから。

あるアプリケーションで作業中のコンテンツを別のアプリケーションから開こうとする場合にこれが非常によく起こる。

E-Mail の添付ファイルとして送られてきたものを保存して、それを別のアプリで開きたい場合、骨が折れることになる。

こうした酷さは驚くほどで、我々は話し合いをしたけれど、コミュニティは取り上げなかった。

確かにビジュアル関連よりも人目を引くものではないが、実際にはより重要だと思う。

GNOME Shell は重要ではないと言っているわけではないが、本当の改善箇所というものがあるだろう。

ユーザーがどこで詰まってしまうか自分がもし見てみれば、それはウィンドウ管理ではないし、アプリの起動でもなく、「私のものは一体どこ?」。

Q11. それは Windows や Mac も含めて、誰も正しい解決策を見つけていない問題では?

A. その通り。しかし地味な問題だが正すことができれば Linux デスクトップに対する人々の感じ方は相当変わる。

探しものが常に得られるようになるわけだから。

Q12. Linux デスクトップにとっての良い見た目や良いテーマの重要度は?

A. 最初の印象というのは肝心で非常に重要。

先に挙げたアップストリームに対するデスクトップ技術グループのエンジニアの1人はテーマ技術の専門家。

テーマに可能なものや、一般に無視された部分であるアプリケーションのビジュアル体験にもたらし得るものについて、我々は改善を行っている。

Q13. 来年、次期 Ubuntu リリース版に新しいテーマは用意される?

A. 一般的に、進みたい道がハッキリするまでは今あるものにこだわった方が良いというものだよね。

申し訳ないことに以前の発言の繰り返しになってしまって、それで自分の信頼性が薄くなってきてしまっているが、実現の自信が深まる地点に到達つつあるし、テーマは将来の Ubuntu リリースの重要部分。

Q14. けれど、リリース番号についてはこだわるつもりがない?

A. 次の LTS までには新テーマを絶対に用意するよ。

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