Archive for 9月, 2009

MS と Moblin

インテル、「Moblin 2.1」を発表–Windowsと競合へ

http://japan.cnet.com/news/ent/story/0,2000056022,20400646,00.htm

一方でこんなブログ意見も。

Why Microsoft won’t fight moblin (Microsoft が Moblin と争わない理由)

http://www.tech-no-media.com/2009/09/why-microsoft-wont-fight-moblin.html

MS にとって、最新 Windows を動かすには非力で値段の安いネットブックに旨味は少ない。
Moblin のおかげでそうした「バーゲン基調の OS 市場」に無理に参入しなくて済む。
OEM メーカーに Windows 7 の価格について文句を言われても、チープなネットブックには Moblin を使うように言うことができる。
そのため、Windows を入れたいと思わない程度に Web など限定用途としてはそれなりに使えるプラットフォームにすることが MS の関心事。
Moblin への Silverlight の移植はその一環。
Moblin は、パワフルで汎用的な Windows 7 「コンピュータ」を置き換えるものではなく、あくまでそれを補完する「デバイス」であることを人々に印象付けるに十分なほどインターフェイスなどに違いがあるため都合がよい。
Win XP 搭載ネットブックばかりが消費者に購入されるよりも、Windows 7 デスクトップと Moblin ネットブックが購入される方が MS にはマシ。

といった感じの意見。

なるほど。

自分のような素人の考えとしては、Windows が既存のデスクトップ・メタファーの OS に止まれば、Moblin や Ubuntu 等もいい線いくかなぁと。

しかし、MS の方は Xbox の Natal Project の方の成果を Windows に持ち込むようなこと言ってますし、現在でもキーボードやマウスのような入力装置を作り続けているハードウェア・メーカーでもあるんで(N-Trig などにも出資してるし)、この辺りを OS に反映させて引き離してくるんではないかと思ったりします。

こんな記事もありますし。新しいタブレットPCのうわさも。

Microsoft gets cleverer with multitouch screen keyboard

Apple にしても「ジェスチャー」に関するパテントを取りまくってるようですし。

MS や Apple は新しい入出力装置の開発も念頭に置きながら OS の設計ができる印象。これはオープンソースに対する強力なアドバンテージではないかと思ったりします。

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Moblin Compliance が大きなリリース周期を生み出す?

シャトルワース氏は自分のブログや、インタビュー講演など、最近事あるごとに Linx カーネルからディストリビューション、ひいてはアプリケーションまで、リリース日をハッキリさせよう、リリース周期を協調させよう、みたいなことを訴えてて、「Canonical はエンジニアが足りなくて、他のプロジェクトやディストリにそうしてもらわないと困るからだろ。」と揶揄されることもあったりするわけですが、Moblin 新版に関する記事にある「 コンプライアンス(遵守事項)で互換性を確保」の項を読むと、その流れがひょっとしたら Moblin から生まれてくるんじゃなかろうかと思ったりなんかします。

【IDF 2009】Intel、携帯端末用OS「Moblin」の新版を公開

あるシステムでうまく動いていたソフトウエアが別のディストリビューション上ではエラーになったりする。これは、ディストリビューションごとのモジュールやライブラリー、付属ソフトウエアのバージョン、フォルダ構成の違いなどが原因となる。

Moblinでは、Linuxの標準システム構成(LSB、Linux Standard Base)などに準拠させ、さらに各モジュールのバージョンなどをはっきりと定める「Compliance」を作ることで、Moblinの各メーカーの実装で互換性の問題が出ないようにする。

Moblin 搭載製品が実際に出始めてくると、Moblin の遵守事項やロードマップは既存の様々なプロジェクトの開発にかなりインパクトを与える気が、なんて勝手に素人的な想像。

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Moblin v2.1 を試してみました

Moblin 自体初めて試したんですけど、これなかなか凄くないですか…

SSSE3 に対応してる Intel CPU と現在 Linux デスクトップで KMS+UXA+DRI2 が働いてる Intel 統合GPU の組み合わせなら Moblin がすんなり動きそうな感じだったので、USB起動ディスクを作ってデスクトップ PC 上で Live 起動させてみました。v2.1 はダウンロードページの下の方。

http://moblin.org/documentation/test-drive-moblin/using-moblin-live-image

http://moblin.org/documentation/test-drive-moblin

Xinerama 対応するように X サーバをコンパイルし直せば Nvidia のプロプライエタリ・ドライバでも大丈夫だという話もあるようですが、6月の時点だし、実際に試したわけではないので、この辺はよくわからず。

Moblin on Acer Revo (pt1) – Nvidia Graphics

http://www.madeo.co.uk/?tag=moblin

ま、とにかく Intel の方で試したところ、起動自体が感動するぐらい速い。

Mutter[Metacity+Clutter]ウィンドウ・マネージャ使用のユーザーインターフェイスもアクセラレーションが効いてるだけあってキビキビ。

分かり易くて一般受けしそうなメニュー。

MID や車載機器、組み込み機器、スマートフォンも視野。

【IDF 2009】Intel、携帯端末用OS「Moblin」の新版を公開

動画:Moblin 2.1 実機デモ、スマートフォンにも対応

Ubuntu Moblin Remix on the Dell Mini 10v (デモは 3:00 から、それまで延々とおじさんの長話し。追記:デベロッパー・エディションと名づけられてる理由の一つに、Moblin では BlueTooth 対応が開発段階であること、なので Mini 10v 搭載の BlueTooth がまだ動作しないことを挙げてるのは面白すぎ。)

Moblin の日本語環境はまだまだな感じですが。

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Linux 配管工事者会議

LinuxCon と合わせて、もっと現場寄りの Linux Plumbers Conference というのが始まるらしいのだけれど、こちらの方が自分には興味深いですね。

特に X Window System 関連で並べられてる題目は、デスクトップ厨にはたまらない。

Video API デスマッチ :  VDPAU 対 VAAPI みたいに Intel 陣営と Nvidia 陣営が論戦するのも面白いですね。

この会議の後、X Developers Conference も近くの会場で開催されるらしいので、例えば Phoronix などから色々記事が発信されそうで楽しみ。

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シャトルワース氏が失言、犬女怒る

シャトルワース氏が LinuxCon  で講演を行う予定であることは前回書きましたが、その講演で氏が Linux は「女子に説明するのが難しい」(hard to explain to girls)というような発言をしたため、Linux 使いの女子から批判の声が挙がってる様子。

OSS に貢献してる女だっているんだし、PC に詳しくない一般の人って意味なら別の言葉を使うべき!

Ubuntu の行動規範(Code of Conduct)を自ら破ってんじゃないの!ってことで、公開の手紙を氏に送るとか。^^;

Ubuntu すなわちズールー語で「友愛、他者への思いやり」の道はすごく厳しいっすね…

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連休中の Ubuntu 関連ニュース

ニュースを2~3日チェックしてないと、Ubuntu 関連だけでも結構色々動きがありますね。

「Ubuntu 10.04 のコードネームは Lucid Lynx 」っていうのはやはり一番の見出し。

シャトルワース氏が Atlanta Linux Fest 2009 に向けた動画メッセージで 、10.04 が次の LTS と明言。

個人的には、10.04 のデスクトップに関して Gnome 2.x 系でベストなものを提供することに集中、Gnome 3 系はその後、というのが大きなニュース。

Gnome 3 発表は3月の終わり予定らしいので LTS には確かに間際すぎでしょうね。

この Linux Fest におけるその他の Ubuntu 関連のまとめ記事はこちら。
Atlanta Linux Fest: Top 9 Ubuntu Highlights

対象のPCの WiFi やサウンド、グラフィック等々が Ubuntu 9.10 に適合しているかどうかを検査するUSB起動の診断ツールを提供する。

Ubuntu サーバ版には GUI を用意する予定なし、GUIを使いたきゃデスクトップ版を利用しなさい。

Canonical は5年で300人の従業員を擁するようになりました。

などなど。

ついでに、9.10 の方で気になるニュースは、ThinkPad のバッテリー管理に関するモジュール?の tp_smapi というものに関すること。

自分は今 ThinkPad 使いではないので、この件がどの程度のことか判別できず、ひょっとしたら別にたいした問題ではないのかもしれませんが。
Thinkpad kernel module in Ubuntu 9.10 (Karmic)

現在のところ作者が匿名のままでリスクがあるからカーネルにこのモジュールを標準で組み込むのを止めるとのこと。ただソースパッケージの提供は継続されるので、上記の記事を書いた人はそれをビルドして導入する方法も紹介していて、DKMS に対応したパッケージの提供にもトライしたいとか。

それにしても、Linux 関連の会議ってあちこちで色々開かれてるもんですねぇ。

シャトルワース氏は現在ポートランドで開催中の Linux Con で現地時間の23日(日本時間だと明後日?)に基調講演。

内容はやっぱり「ソフトウェアのリリース時期を同調させようよ」って感じみたい。

http://linuxcon.linuxfoundation.org/meetings/1567

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NetWalker の展示機に触れてみましたが

ヨドの入り口で NetWalker の展示してたので、キャンペーンのお姉さんに向かって一直線に進んで行ったら、いつの間にか AMEX の勧誘を受けてました・・あれ?

で、まぁとにかく NetWalker にちょっと触れてみたんですけど、意外に重い感じかなぁと。

あとネット上で散々キーボードについて色々言われてましたが、ぷにょぷにょして打ちにくいなと自分も思いました。

ポインティング・デバイスのオプティカル・ポイントについては結構気に入ったんですけど、あの位置に合わせて NetWalker を両手持ちしてキーボードの下の方を押そうとすると手が自然に離れたりして、そうなるとかなり不安定になり落としちゃいそうに感じるかも。

端末で $ glxinfo とか $ glxgears と打ったら、そんなコマンドなんかないと返ってきたので、たしかに OpenGL ではなく、OpenGL ES なのでしょう。

glxgears はパッケージを後から導入すれば動くらしい。

追記:そういえば、ヨドの展示ブースや展示機の周りには全くといっていいほど Ubuntu の文字は見当たらなかったです。

で、自分が見た限り表示されてたのは、値札のとこにあるヨドが他のPCにも共通して利用しているちょっとしたスペック表のとこだけ。

CPU i.MX515 ふむふむ、なるほど。

Windows ん? Ubuntu ・・・。

OS じゃなくて Windows って項目になってるんですよね・・。

NetWalker にはヨドにこれを修正させる役割を期待したい!

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ATI Radeon で KMS

最近になって ATI Radeon HD5800 シリーズが発売されるニュースを知ったんですけど、どうやら前評判がすごく良くて、一方 Nvidia は旧チップのリネームを繰り返すばかりで新世代チップの発表が全然できずヤバイ、という感じだとか。

Nvidia は Linux 向けのドライバの方ではものすごく対応が早いんですが、ハードの方でもがんばってもらいたいものです。

ドライバといえば、ATI の公式では未発表なバーションの Catalyst ドライバが Ubuntu 9.10 Karmic のリポジトリに入っていて、そのドライバには HD5800 シリーズに対応するコードも組み込み済みとのこと。
Ubuntu 9.10 Gets Unreleased Catalyst 9.10 Driver

今はデフォルトで何もしなくても Compiz が有効に働いたり、またはメイン・メニュー>システム>ハードウェア・ドライバからプロプライエタリ・ドライバを有効にすれば Compiz を動かせる状態になるので楽ですね。

HD5800 シリーズに真っ先に特攻した人には、Karmic での動作もぜひ試して頂きたい!ただ Karmic はまだ alpha の段階で、こちらの方も特攻になってしまいますが・・。

ところで ATI といえば、Cairo-Dock を OpenGL バックエンド使用モードで動かしたときに、ドックの背景が Compiz 有効状態であっても黒いまま表示されてしまう問題がありましたが、どうやらオープンソースのドライバを使用する場合においてはその問題が解消されたそうです。

で、正しく表示させるにはどうすればよいのかというと、3D アクセラレーションにおける新しい仕組みとしてドライバに実装された DRI2 を使用するようにすれば良いらしい。

そして、DRI2 を使用するようにするには、Linux カーネルとユーザースペースの両方にまたがって新しく実装された KMS(Kernel Mode-Setting、カーネル・モード設定)を有効にしなければならない。KMS を有効にすると、DRI2 が自動で有効になる。

というわけで、Ubuntu Karmic で ATI Radeon + KMS + DRI2 の組み合わせを試してみようじゃないか、と思ったわけですが、普通に Karmic alpha 5 をインストールして、Grub メニューの起動コマンドラインを編集し quiet splash の後に radeon.modeset=1 と記述して簡単にテストできる状態にはまだなっていませんでした。

今のところ、Ubuntu karmic で KMS に対応するのは r100 から r500 までの ATI GPU。(r100 とかっていう数字は一体なんなんだ?という場合は、$ man radeon してみるとか、例えばこちらを参考に。https://help.ubuntu.com/community/RadeonDriver

それに xorg-edgers fresh X crack PPA を利用して、drm ドライバや mesa ドライバや X サーバやらを入れ替えてやることも現段階では必要。

https://launchpad.net/~xorg-edgers/+archive/ppa

面倒くさい状況ですね。

家にある Radeon カードを積んだ PC はルータからかなり離れていて無線LAN しか接続方法がないのだけれど、 Karmic を入れたら jauntuy では無線LANが繋がっていたのに karmic では繋がらず xorg-edgers のパッケージ等が導入できなっかたりして苦戦中。む~。

radeon ドライバや KMS とか DRI2 ってどうも RedHat の人が開発に携わってるみたいなんで、この辺りを試すなら Fedora の方がよいのかもしれません。

Fedora の方だといち早く開発版コードを Rawhide に取り込んで R600 以降の 3D アクセラレーションのテストに入ってる様子。

ちなみに radeon ドライバ以外に radeonhd ドライバというのもあって、r500 以降のカードなどを使用してる場合はどっち使えばいいんだ?ひょっとしたらこっちの方がいいのかな?っていう疑問を抱きますね。

以下の比較表を参考にすると radeon ドライバを使うのがとりあえず基本なのかなと思うんですが。

http://www.x.org/wiki/RadeonFeature

どうやら、radeonhd って Novell の開発者がやってるドライバで、ようするに RedHat の人は radeon、Novell の人は radeonhd の方に手を加えて、折をみて新しいコードを互いに取り込み合っているという感じらしいです。

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Windows Me の思い出

これまでに比較的初心者向けのムックなどがすでに何冊か出てるんですけど、そもそも Ubuntu 利用してる人のなかで、自分のように趣味ですらプログラミングしない人ってどのくらいいるのか?とふと思ったりしました。
大抵は Windows の XP 以降を使用してると思うし、それだと別に深刻な問題はなくてわざわざ Ubuntu を使おうって人そんなにいないような。
じゃあ、お前はなんで Ubuntu 入れたんだ? と問われると、直接的には Compiz の存在を知ってそれを試したかっただけで。
ただ振り返れば、根本的には Windows Me の存在が大きかったかなと。
自分の家の最初の PC が IBM のホビーユース向けの Win Me 搭載 ThinkPad だったんですけど、なんてったって買ったその日にブルースクリーン。
ThinkPad の廉価版とはいえ、他メーカーなどに比べると値段は多少張ってたし、メモリも増強してただけにショック。
その後、Win Me の安定化に苦労したんですよね。
付属のノートンが走ってると重いこと重いこと。
XP デスクトップを購入する頃には、最終的にシェルを LiteStep に代えてました。
代替シェルの導入が単に見た目だけの目的じゃなくて、必要度がかなり高かったわけです。
Me の再インストールも結構したし。
このノートPCでの Me 体験があったから、 Ubuntu 導入のハードルが低かったのかなと。
Windows7 が来月に発売になり、今度は Vista が 二代目 Windows Me の烙印を押されそうな感じなんですが、でも安定度から見たら初代 Win Me よりはるかにマシ、というか問題なく使い続けることができるわけで、XP のサポートも延長されたわけだし。
そう考えると、Ubuntu 関連雑誌はむしろ当面ハードコアな内容な方がいいんじゃないかなぁと思ったり。
Sharp から出る NetWalker を買うのも、「電車の中で立ってる時にも開発作業が出来ちゃうかも」なんて考えたりする好事家だろうし。

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久々に Compiz

そういえば C 言語から C++言語に完全書き換えを行っている最中の Compiz は一体どうなったのか?

こちらの現況も久しぶりにチェックしてみたら、機能的には Compiz 0.9 Beta に近づいてるとのこと。

Compiz の象徴ともいえるデスクトップ・キューブのプラグインはまだ書き換えが済んでないですけど。

一方で、GNOME-Shell の開発の方も順調に進んでる感じで、予定通り正式版が来年の春に発表されそうな勢い。

Compiz はそもそもウィンドウ・マネージャであって、Ubuntu の「外観の設定」の「視覚効果」を有効にすると、Gnome 標準のウィンドウ・マネージャである Metacity  から Compiz の方に切り替わるだけなので、Gnome パネルの後継である GNOME-Shell とは共存できそうな感じ。

ところが、GNOME-Shell を最大限に活かすにはウィンドウ・マネージャとの連携が重要という方針でその開発が進められてるようなので、Metacity の後継として開発中の Mutter は GNOME-Shell と密接不可分な関係になりそう。

ようするに、GNOME-Shell を使うならウィンドウ・マネージャは Mutter でなければならない、となることが予想される。

従来の Gnome パネルや Metacity もしばらくは併存して、ユーザーが選択できるようにはするでしょうから、Gnome パネルを使用する環境にすれば Compiz を動かすことはできるかもしれない。

ただ本当にこうなると、オプション的な Gnome デスクトップのクラシカル環境ためにわざわざ Compiz まで標準で組み込む意味合いは薄れるので、主要なディストリは標準インストール・パッケージから Compiz を外す可能性がある。

GNOME-Shell + Mutter + Zeitgeist + Gnome-Do が新しい標準に。

Compiz 0.9 では普通のウィンドウ・マネージャのように行儀良く収まるために、コンポジット機能や OpenGL 依存部分が独立したプラグインとしてコアから外部に出されてるんですけど、その必要性もかなり薄くなる可能性が。

しかしですね。

自分も含めて、標準のものは標準というただそれだけの理由で取り払いたくなる永遠の中二病な人にとっては、むしろこれは喜ばしいことかなと。

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